終盤戦では玉を詰ますことが目的となります。 そのためには玉を詰ましやすい状態に持っていくことが重要です。 そして、それは「寄せ」と呼ばれ、様々な寄せパターンがあります。 ここでは、その「寄せ」について紹介します。
頭金は詰みの一番の基本形です。 寄せとしてその頭金の形を作ります。 図1では、13歩と垂らすのが寄せの基本です。 図2では、その応用ですが、54歩とするのが正解となります。 図3では、75歩が正解となります。 歩を一枚使うだけで詰みが生じるので非常に効率の良い寄せです。 そしてもう一つ分かるのが、1段玉は金1枚、2段玉は金2枚、3段玉は金3枚必要なことです。 また、これが銀では詰みが生じません。 金は寄せにおいて重要な駒になることが分かります。
上記の頭金の所で分かったように玉は下段にいるほど、 少ない金の枚数で寄せることができます。 そこで、玉を下段に強制的に落とすことが寄せにつながります。 図4では、角を用いて玉を下段に落とすパターンです。 91角に対して、91同玉に、93歩成で頭金の寄せに持って行きます。 角を打たずに単に93歩成とすると玉を上部に逃がしてしまう場合があります。 図5では、飛車で下段に落とすパターンです。 ずばり、21飛成とし、同玉に23銀と頭金のパターンを作ります(図5a)。 これで、22金と後手が受けたとしても、33桂として、同金は22金。 31玉は41金。11玉は21金、同金、同桂成、同玉、22金で詰みとなります。 飛車を受けてきた場合も詰みとなります。
はさみうちも寄せの基本です。 頭金や下段に落とす寄せは、盤面の一番下と金ではさみうちにしています。 ここでは左右からはさみうちにします。 図6では41飛成とします。 同玉に22金と左右からはさみうちにします。 52金、32金の詰みを受けることはできません。 図7はどうでしょうか。 一見42飛で受かったようですが、32歩が好手でどちらで取っても金打ちまでです。
腹銀とは玉の横に打つ銀のことを言います。 図8は典型的な局面で、この32銀が腹銀です。 直接、王手でないので厳しくないように見えますが、 1、31馬、12玉、21銀の詰みと2、23銀成の詰みがありその両方を防ぐことはできません。 例えば、12銀の受けには31馬までで、27飛の受けは1、の手順で詰みになります。 図9は端に玉を追い詰めた局面です。 ここで金で王手をかけず、82銀の腹銀が好手になります。 次の93金、同桂、81銀の詰みが受けづらいです。 31飛と受けた場合は、81とが好手となります。 また、84銀は、先程の93金から81銀で詰みます。 また、84歩と逃げ道を開ける手には、73金が好手となります。 同桂は93金があるので受けに窮しています。
打った駒をかわすことで、利きを増やして受けにくくする寄せがあります。 図10は、22玉に対して23銀と打ったところで、13玉とされました。 このままでは24玉から逃げられてしまいます。 そこで、今打ったばかりの銀を34に成ります。 これで24からは逃げることができません。 さらに23への利きが2枚あり、22歩と受けても23金と打って詰みになります。 34の成り銀を取っても23金で詰みになります。 図11は、32玉に対して23角と打って22玉となった局面です。 攻めに窮したように見えますが、41角成とするのが、駒をかわして利きを増やす寄せです。 同金は23金ですし、32銀や32金としても23金で詰みになります。 12香としても、23歩成、11玉、12と、同玉、23金、11玉、12香で詰みとなります。 41角成で12角成でも同じように見えますが、12同香で失敗になります。 また、34角成または45角成は32銀の受けがあります。
端に逃げ込んだ玉に端歩を突くと効果的な寄せになります。 図12は92玉に対して95歩と端歩を突いた局面です。 95同歩と取ると95同香として93歩に82金で詰みます。 このままですと94歩と取り込んで後手は受けにくくなります。 図13は93玉型に対して95歩と端歩を突いた局面です。 このまま放置すると、94歩と取られ、92玉でも84玉でも金を打たれて詰んでしまいます。 そこで、95同歩としますが、そこで85金が好手になります。 85金は95香を狙っているので、84金と受けると、82銀とし92玉に対して、95香とします(図13a)。 95同金ならば、93歩、同桂、81銀で詰みますし、93歩と合い駒をしても81銀で詰みます。 この85金で同じようですが85銀は84金と受けられる手が生じます。 また、85金に対して84歩という受けならば、94銀、92玉、84金として寄せることができます。
捨て駒をすることで玉を送るようにして寄せていく手筋があります。 図14では82金と捨て駒をします。 61玉は72銀から詰んでしまいますので、取るしかありません。 82同玉に62飛成とします。 72金と合い駒をしても71銀から詰みとなります。 この82金が飛車を使った典型的な送りの手筋です。 図15は端歩を突き捨てた後に92歩、同歩となった局面です。 ここで、82銀が角を使った送りの手筋と言えます。 同玉に62角成と迫ります。 次に71銀から72馬がありますので、敵の打ちたい所へ打てで71銀としてきますが、 91銀とさらに送ります。 同玉としますが、71馬と迫って、82銀ならば72馬と銀を取って成功となります。
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