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歩の手筋


ここでは、歩の手筋を紹介します。 歩にはたくさん手筋があります。 手筋を習得することで中盤力がつきます。

底歩
焦点の歩
ダンスの歩
交換の歩
垂れ歩
叩きの歩
突き違いの歩
後退の歩
犠打の歩
突き捨ての歩
成り捨ての歩
連打の歩
ふた歩
ひも歩
継ぎ歩

底歩

39飛と王手をかけられた所です。 そこで、金の底に打つ59歩が堅い守りです。 金は歩に、歩は金をそれぞれ守っています。 この底歩により手数をかなり稼ぐことが出来ます。

底歩

焦点の歩

飛、角、桂の利き(焦点)である33の地点に、歩を打ちます。 桂で取ると34飛で銀を取ることができ、 角で取ると21飛成と桂を取ることができ、 飛で取ると22飛成と角を取ることができます。 飛が逃げる手も34飛があります。 このように駒のたくさん利いている地点に歩を打ちこむと、 相手の駒のバランスが崩れることがよくあります。

焦点の歩

ダンスの歩

図の局面からまず、43歩成とします。 同銀と取ると44歩で銀が取られてしまうので、同金右と取ります。 そこで、44歩と打ち、53金に54歩として、52金と元の位置に戻します。 さらに、43歩成として、同金左に44歩と打ち、33金に34歩と打って32金と元の位置に戻します。 ここまでで、最初の局面から34と54に歩を打つことができました。 最後に、43歩成とすると、どの駒で取っても44歩と打ってその駒を取ることができます。 金と歩のの動きがダンスのように見えることから、ダンスの歩と呼ばれます。

ダンスの歩

交換の歩

図の局面から、24歩として、以下、同歩、同飛、23歩、28飛と進めます。 25の歩が相手の23の歩と交換になりました。 このような歩の交換の利点は3点挙がられます。 1.歩を持ち駒にできること。 2.飛の利きを23の地点に直通できること(32の金が移動できない)。 3.もともと歩のあった25地点に駒を進めることができること。 中盤戦では、この歩の交換により局面を打開して行きます。

交換の歩

垂れ歩

図のように打った歩を垂れ歩と言います。 主に4段目または3段目に打つことが多いです。 狙いは駒が入った時に歩の前に駒を打ち込むことです。 特に図のように玉の前の垂れ歩は、金、銀一枚の価値があると言われるほど 終盤の寄せに有効な一手となります。

垂れ歩

叩きの歩

直接、歩を取りに打つことを叩きの歩と言います。 図では、金を叩いていますが、同金では21飛成がありますし、 金を逃げても21飛成があります。 叩きの歩は取りが直接かかっているので、 相手は手を抜くことができないことが多いです。 反面、相手の駒を呼び込んでしまうこともあるので注意が必要です。

叩きの歩

突き違いの歩

図の局面は75歩と突かれた所に65歩と隣の歩を突いたところです。 75歩を同歩と取ると同銀と銀が前に進んできて、後手好調です。 75歩に65歩と突き違うことで、相手の銀は65同銀とするくらいです。 そこで、75歩と歩を取ります。 すると、後手の銀は身動きが取れなくなり、 先手に66歩と打たれると銀を取られてしまいます。 55歩としてきても、落ち着いて同歩と取っておけば、 依然として相手の銀は身動きが取れません。

突き違いの歩

後退の歩

図の局面では27の地点に桂と香が利いていて、受けるのが難しいです。 もし、歩が一歩後退することが可能ならば、 28歩と下がって27の地点を受けることができます。 そこで、26歩と突きます。 同香としますが、そこで28歩とすれば、歩が後退したことになります。

後退の歩

犠打の歩

図の局面では、飛による王手に68歩と何も利いていない所に歩を打った局面です。 同飛成としますが、78金と先手ではじくことができます。 28飛に単に78金とすると67金と詰めろをすぐにかけられます。 大駒はこのように近づけてから受けると受けやすい局面が多いです。

犠打の歩

突き捨ての歩

56の歩を55歩と突き捨てた局面です。 歩損となりますが、後に54歩や53歩と垂れ歩や叩きの歩を使うことが可能になり、 自陣では59歩などの底歩が使うことが可能になります。 中盤から終盤に入る少し前に使うといいことが多いです。

突き捨ての歩

成り捨ての歩

図の局面は23の歩を22歩成と成り捨てたところです。 成り捨ての歩は、と金になりますので、相手は手抜きがしにくいです。 図では22同金としますと、42歩成と、と金を作ることに成功します。

成り捨ての歩

連打の歩

叩きの歩を連続で使うことを連打の歩と言います。 図では、12歩、同香、13歩、同香、14歩と歩を三回連打することで、 香を取ることができます。 連打の歩は、常に取りがかかっていますので、 相手は変化をしにくいです。 反面、歩をたくさん使いますので、注意が必要です。

連打の歩

ふた歩

図は、飛で歩交換をしてきたところに85歩と飛の退路を断って、 ふたをした局面です。 単純に87歩と受けるのではなく、桂の利きを活かして閉じ込めます。 87歩と打たれても同銀で問題ありません。 次に87銀で飛を取ることができます。

ふた歩

ひも歩

図の局面は33の角を51に引かれて銀取りとされた所で、 そこで落ち着いて36歩と銀にひもをつけます。 34歩と打てればいいのですが、この局面では同銀と取られてしまいます。 36歩はやや損な手ですが、銀にしっかりひもがつき、 安心して攻めることができます。

ひも歩

継ぎ歩

相手の歩の前に持ち駒の歩をあわせることを継ぎ歩と言います。 図は典型的な局面で、25歩の継ぎ歩を手抜きすると、24歩と歩を取り込むことができますし、 同歩と取ると、同桂と跳ねて攻めが続きます。 継ぎ歩はじっと力をためた感じですが、取り込む手があるのでとても早い手です。

継ぎ歩

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